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written by M>K

鳥取砂丘は訪れた日によっていつも表情が違う。
前回来たのは確か5月の半ば、小雨の降る日だった。
紫の小さな花が露にぬれて可憐だった。
今日はどんな風景が待っているか楽しみだ。

6月30日、梅雨の晴れ間で少しむし暑い。
照りつけるような日差しではないが、さえぎる物のない砂の上を歩くので日除け対策はしておいたほうがいい。
タオルを入れたリュック、カメラ、長袖の服、足元は歩きやすい履きなれた運動靴、当然砂だらけになることを念頭において準備すると、こころおきなく散歩を楽しむことができる。
また、できれば一人ではなく、一緒に歩きたい人と二人でゆっくり散歩するといい。
時々カメラマニアと出会うことがあるが、ほとんど人に出会わないので一人で歩くにはちょっとさびしい。
私は、ふらっと出かけたので準備ができていなかったが、それでも砂丘散歩を十分楽しめた。

まず、有料駐車場の中にある足洗い場(パークインフォメーション、福部村歴史資料館)に行く。
そこに砂丘の案内図があるので、それを片手に歩くとわかりやすい。
また、足元の準備ができていない人のために、砂丘を歩くための履物を砂丘保安官事務所横に無料で用意してあるのでそれを借りることにした。

 

観光客がみんな一度は登る、馬の背とよばれる砂の丘。
馬の背を越えると雄大な日本海が一望に見渡せて登りきる時の息切れもその景色で癒されてしまう。
今回は馬の背には登らず、日本海と馬の背を右手に見て道路と平行に直進し、人波をはずれて歩いていく。
前方に緑の林が見えてくる。その向こうは県道湯山鳥取線、多鯰が池につながる。
足元にも砂丘植物が少しずつ顔を出し始める
前方にすとんと道がなくなって、急斜面があらわれる。
これが砂丘すり鉢。昔は、本当に砂だけの雄大なすり鉢であったらしいが埋め立ててしまってから、植物が繁茂して当時の面影は無い。
もとのすり鉢状の地形をとりもどすにはまた10万年かかるらしい。
人間って本当に取り返しのつかないことばかり繰り返しているようだ。
自然、自ずから然るべきあるものに手を加えてしまうのは人間の傲慢さ、と、こういう景色を見ているとつくづく思う。
 
急斜面を降りずに少し右手に歩いて、人が歩いた跡らしき道が斜面の下に見えてきたら、斜面をおりる。
コウボウムギがあちこちに見える
 
砂に長く根をはる植物
途中でハマヒルガオをいくつも見つける。
もう時期は過ぎたと思っていたので、ラッキー。写真を撮る。
砂丘の植物は一週間で主役が入れ替わる。
今日、ハマヒルガオと出会えたこと、アリやはちがその小さな花に集まっているのを見つけたこと、雄大な自然の中にいると、こういう小さな生物が本当にいとおしく感じる。
 
草地に入らずに斜面に沿って歩いていくと広々したところに出る。
このあたりにくると砂の色が少し違ってくる。
砂鉄のような黒っぽい色が表面に出ているところが多い
また斜面をのぼり、緩やかな砂の起伏の上を歩く。
木の枝のかけらかと思ったら虫の抜け殻だった。。。
たくさんの虫の抜け殻が見られる
このあたりはぜひ、砂の上に織り成される自然の形に注目して歩いてほしい。
かすかに風紋を見ることもできる。
また、きれいな円が砂の上にいくつも描かれているので何だろうと思ったら、砂から長い茎をのばした草が風にふかれて砂の上をくるくると回ってできた模様だった。

よく見ると、その他にもいろんな模様が砂の上に残っている。
ウサギの足跡?それとも鳥が歩いた後?

砂の上に残された幾何学模様に色んな想像がわいてくる。
夜間、早朝、この砂丘でどんな出来事がおこっているのだろうか。
 
しばらく行くとバームクーヘンのような地形があらわれる。
火山灰土が折り重なってできた地形らしい。
 

はるか正面に馬の背と、米粒のような人々が見える。
朝日、夕日の中でここから馬の背を見るとロマンチックだと思う。
また、このあたりはとても風が気持ちよい。

ゆるやかな起伏の中で横になり、目を閉じて小休憩。
間近に鳥のさえずりがきこえる。2羽の鳥のようだ。
どんな鳥だろう、あたりを見回すが姿は無い。
そう言えば人の姿も遠くに見えるのに音は間近に聞こえる。

さて、出発。見通しはいいので、帰る方向はすぐにわかる。

らくだの並ぶ観光メインの場所に近づいてくると、この散歩も終わり、出発する時に、写真はいかが、と声をかけてくれたお姉さんが「おかえりなさい」と言ってくれる。

足洗い場で足を洗い、持ってきたタオルで足をふいて、履物をかえ、砂丘保安官事務所の館長さんにお礼を言って履物をかえすと1時間ほどの砂丘散歩も終わりだ。
のどの渇きを近くのレストランでいやしながら、撮ってきたデジカメの写真を見返すのがまた楽しいひと時。

お疲れ様でした。


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